いのうえ内科
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胃ろう (PEG)

胃ろうの種類と特徴

胃ろうの種類

長所 短所 
チューブ型 体表部にチューブが長く出るため、栄養投与時にチューブを接続する必要がなく、介護される方が管理しやすい

・常にチューブが体表部に出ている自己抜去されやすい。
・チューブ内に内容物が逆流するためにチューブの劣化が起こりやすい。 
 ボタン型  ・栄養投与時にチューブを使用するので、チューブが取り外して洗え衛生的である
栄養投与時以外にはチューブがついていないため、リハビリなどで邪魔にならない。また洋服の中に隠れるので外からわかりにくい
・栄養投与時にチューブを接続する場合、介護される方には煩雑である。 

  長所 短所 交換時期
 バンパー型  ・耐久性があるため、交換時期がバルーン型より長い
・バルーン水などの手入れがないため管理しやすい

自己抜去されにくい


交換がやや難しい

 
46
ヶ月
 
 バルーン型  ・交換しやすい

 ・耐久性が弱く、交換の時期が短い
週に1回はバルーン内の蒸留水の入れ替え作業が必要
自己抜去が起こりやすい
 12ヶ月

費用
   初診料+手技料 材料費  留置後確認
内視鏡の場合
留置後確認
レントゲンの場合 
 バンパー型  4700円   22000円 1割 約4500円
3割 約13000円
1割 約3500円
3割 約9500円
 バルーン型  約9000円  1割 約3000円
3割 約9000円
1割 2000円
3割 約5500円  
胃ろう交換後には内視鏡あるいはレントゲンによる確認が必要です。
当院では内視鏡による確認を推奨していますが、内視鏡の飲めないかたではレントゲンによる確認をしています。


胃ろうを挿入されている方・ご家族へ
胃ろうのお手入れ

胃ろうの周りは毎日、生理食塩水やぬるま湯できれいに洗ってください。洗う際にはガーゼや綿棒でろう孔の周りに付着した粘液や汚れをふき取りろう孔が清潔を保てるよう心がけてください。
石鹸を使用するときは弱酸性のものを使用します。石鹸の成分が残ってしまうと、皮膚のトラブルの原因となってしまうことがあるので、ぬるま湯できれいに洗い流すようにしてください。

入浴

シャワーは胃ろうをつくって1週間ほど経つと、お風呂は胃ろうを作って2週間ほど経つと入れるようになるといわれています。詳しい時期につきましては担当医師にご相談ください。
入浴するときは胃ろうをビニールで覆ったりせず、そのまま湯船につかれます。入浴中は、胃ろうの周囲を石鹸できれいに洗ってください。入浴したあとは水気を拭き取り、しっかり乾燥させましょう。シャワーや入浴の後には胃ろうの周りを消毒する必要はありません。


お口のケア

口から食事するリハビリをしていない患者様も、お口のケアは必要です。口の中が汚れたままですと、細菌が繁殖して肺炎や気管支炎などの合併症が起こりやすくなってしまいます。
お口のケアの目的は口腔内の細菌を減少させることです。湿らせたガーゼやスポンジでやさしくお口の中を拭き取ります。舌の白い汚れも拭き取っておきましょう。また、歯の汚れは唾液をこまめに吸引しながら、歯ブラシでブラッシングします。

カテーテルの確認

もし回転しないときは、必ず担当医師にご相談ください。

どのようなタイプのカテーテルにおいても定期的に回転させ、一定の部位に力がかからないように注意してください。

器具の洗浄

注入器具は常に清潔なものを使用するように心がけてください。また、器具はカテーテルの規格にあったものをご使用ください。



日常生活

Q1 胃ろうをつくったらごはんは食べられますか?

胃ろうをつくってもご飯はたべられます。口から食べた食べ物がろう孔から出てくることはありません。担当医に確認し、もし可能であればリハビリもかねて口から食べ物を食べることをおすすめします。


Q2 一度つくった胃ろうを元に戻すことはできますか?

胃ろうが必要なくなった場合、カテーテルを抜去すると自然にろう孔がふさがります。数時間経過すると胃の粘膜は修復します。


Q3 お風呂に入っても大丈夫ですか?

ろう孔が安定すればそのままお風呂に入れます。ガーゼやテープで覆う必要はありません。ろう孔部は石鹸をつけてよく洗いましょう。一般的に水圧より腹圧の方が圧が高いため、ろう孔からお湯が入ってくることはありません。


Q4 歯磨きはしなくてもよいですか?

口から食事をしなくても、定期的に歯磨きを行うことをおすすめします。


Q5 栄養剤の投与後はすぐに横になってもよいですか?

食事が終わったら30分〜1時間は食道への逆流を防ぐためにベッドは上げたままにし、上半身を起こしておいてください。


Q6 栄養剤はどんなものですか?

体に必要な栄養素がバランスよく配合されている流動食です。そのまま注入できる液体タイプとぬるま湯にとかして使う粉末タイプがあり、さらに補助食もあります。


Q7 チューブ・注入器・ボトルのお手入れは

これらの器具は食器と同様と考え、食器と同様に洗浄しています。


Q8 トラブルがあった場合には?

基本的にはかかりつけ医の指示に従ってください。特に自然抜去や自己抜去の際にはろう孔が閉じる可能性があり、早急にご相談してください。



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