感染経路
HCVの主な感染経路は血液感染です。以前は輸血による感染が多かったが、現在ではディスポーザブル注射器の普及や輸血製剤の感染チェックの進歩によりほとんど見られない。しかしいまだに医療従事者の針刺し事故や刺青、覚醒剤注射の回し打ち、ピアスの回し開けなどによる他人の血液が体内に入り込むことによる感染があります。
B型肝炎とは異なり性行為や母子感染率は少ないと言われています。
症状
C型肝炎ウイルスに感染には、急性感染と慢性感染があります。
急性感染
ほとんどが無症状な場合ですが、急性感染の際には発熱・全身倦怠感・食欲不振・悪心・嘔吐などの自覚症状を認める場合があります。
慢性感染(持続感染)
基本的には症状がないことが多いです。
経過
HCVに感染すると約70%の方が持続感染者となり、慢性肝炎、肝硬変、肝癌と進行する場合があります。肝炎になっても自覚症状はほとんどなく、気づかないままおよそ20〜30年で肝硬変へと病気が進んでいきます。
早期の発見が重要であり過去に輸血を受けた方や他人の血液が体内に入った可能性のある方、家族にC型肝炎の方がおられる場合には一度血液検査を勧めます。
C型肝炎の検査と治療
C型肝炎の検査と治療の流れ
C型肝炎に感染された方でインターフェロン療法を受けられる方はウイルスの型や量を調べて治療法を決定します。また、インターフェロン療法を受けない、あるいは受けれない方はウルソデオキシコール酸(内服)やグルチルリチン配合剤(注射)により、肝機能を正常に保ちの肝炎の進展を防止する肝庇護療法があります。
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ジェノタイプ1 |
ジェノタイプ2 |
ウイルス量 |
高ウイルス量
5.0LogIU/ml以上
300fmol/L以上
1Meq/ml以上 |
- PEG-IFNα-2b+リバビリン併用(48~72週間)
- PEG-INFα-2a+リバビリン併用(48~72週間)
- IFNβ+リバビリン併用(48~72週間)
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- PEG-IFNα-2b+リバビリン併用 (24週間)
- IFNβ+リバビリン併用(24週間)
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低ウイルス量
5.0LogIU/ml未満
300fmol/L未満
1Meq/ml未満 |
- IFN単独療法(24週間)
- PEG-IFNα-2a単独療法(24~48週間)
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- IFN単独療法(8~24週間)
- PEG-IFNα-2a単独療法(24~48週間)
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セロタイプ |
ジェノタイプ |
日本人の場合 |
インターフェロン療法の効果 |
1グループ |
1a |
- |
効きにくい |
1b |
70〜80% |
効きにくい |
2グループ |
2a |
10〜20% |
効きやすい |
2b |
10%以下 |
効きやすい |
該当なし |
3a |
- |
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3b |
- |
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日本肝臓学会編:慢性肝炎の治療ガイド2008
※ウイルス量が多いとインターフェロン療法は効きにくく、少ないと効きやすいと言われています。
定期検査
C型肝炎に感染されている方は、定期的な検査を行いましょう。血液検査は当然ですが腹部エコー検査も重要です。肝臓の評価だけでなく肝臓癌の早期発見に威力を発揮します。担当医とよく相談しましょう。
当院での血液検査・腹部エコーを希望される方は、
をご参照ください。
その他
- 肝炎治療(インターフェロン治療、核酸アナログ製剤治療)に対する医療費の助成について
厚生労働省のホームページをご参照ください。