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茨木市竹橋町の内科クリニック。胃カメラ・大腸内視鏡・腹部エコー・各種ワクチン・特定検診・一般検診が可能です。

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自己免疫性肝疾患Autoimmune hepatic desiase

 自己免疫性疾患すなわち膠原病とは文字通り自分の免疫による病気で、自己免疫性疾患は何らかの原因で自分で自分の臓器(細胞)を壊す病気です。皆さんがよくご存知の関節リウマチも自分で自分の関節を壊す病気です。
 ここでは肝臓の自己免疫性疾患についてお知らせします。

自己免疫性肝炎 Autoimmune Hepatitis(AIH)

 自己免疫性肝炎とは自分の肝細胞を自分で攻撃する病気です。毎日攻撃を受けることで慢性の炎症がおき、いずれ肝硬変に移行します。
 中年以降の女性に好発しやすく、症状は約6割の方が倦怠感を自覚されます。

検査:血液検査で肝機能と自己抗体などを測定し、腹部エコー検査で肝臓のチェックを行います。

診断は国際診断基準に準じて行うのが一般的です。。
国際診断基準によるAIH診断のためのスコアリングシステム
項目 基準 点数
女性 2
ALP AST/ALT比-- <1.5 2
1.5〜3.00 0
>3.0 -2
血清グロブリン又はIgG値 >2.0 3
正常上限値との比 1.5〜2.0 2
1.0〜1.5 1
<1.0 0
ANA、SMA又はLKM-1抗体--- >1:80 3
1:80 2
1:40 1
<1:40 0
AMA陽性 陽性 -4
肝炎ウイルスマーカー- 陽性 -3
陰性 3
薬物投与歴- 陽性 -4
陰性 1
平均アルコール摂取量- <25g/日 2
>60g/日 -2
肝組織像
※肝生検が必用
Interface hepatitis 3
リンパ球や形質細胞優位の細胞浸潤 1
肝細胞のロゼット形成 1
上記のいずれの所見も認めない -5
胆管病変 -3
他の病変 -3
他の自己免疫疾患 2
付加項目 他の認識された自己抗体陽性 2
HLA DR3又はDR4陽性 1
治療反応性寛解 2
治療反応性再燃 3
  
総合点数による評価
治療前 AIH確診例 (difiinite) >15
治療後 AIH疑診例 (probable) 10〜15
治療前 AIH確診例 (difiinite) >17
治療後 AIH疑診例 (probable) 12〜17

合併症:他の自己免疫性疾患が合併する場合もあります。

治療:一般的にウルソ(UDCA) ・ステロイド(プレドニソロン)。

原発性胆汁性肝硬変

 自己免疫性肝炎と同じく免疫の異常による肝臓病です。標的となる細胞が自己免疫性肝炎とは異なり小葉間胆管から隔壁胆管にかけての細胞が破壊されます。よくわからないかと思いますので胆汁の流れをお話します。胆汁(いわゆる黄水(きみず))は肝細胞により作られ、川のながれのように細い胆管が集まりだんだんと太くなっていきます。すなわち毛細胆管(もうさいたんかん)、細胆管(さいたんかん)、小葉間胆管(しょうようかんたんかん)、隔壁胆管(かくへきたんかん)になって肝管(かんかん)になります。さらに肝門部で左右の肝管が合流して総肝管(そうかんかん)となり、肝外胆管に移行して総胆管へとつながっていきます。
 簡単に話しますと原発性 胆汁性肝硬変は胆汁が流れ出す最初のかなり細い胆管を障害します。胆管が障害をうけると胆汁が流なくなり(うっ滞)慢性の炎症(慢性非化膿性破壊性胆管炎:CNSDC)をおこし肝障害を起こすのです。病名に肝硬変とありますが発症と同時に肝硬変になるわけではなく慢性の炎症の結果として起きます。

自己免疫性肝炎と同じく中年以降の女性に好発しやすいのですが、初発症状としては皮膚のかゆみが最も多く、黄疸(おうだん)がこれに続きます。



診断基準


次のいずれか1つに該当するものをPBC と診断する.
1)組織学的にCNSDC を認め,検査所見がPBC として矛盾しないもの.
2)AMA が陽性で,組織学的にはCNSDC の所見を認めないが,PBC に矛盾しない(compatible)組織像を示すもの.
3)組織学的検索の機会はないが,AMA が陽性で,しかも臨床像及び経過からPBC と考えられるもの



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