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細菌性食中毒 | 毒素型 | 原因となる細菌が食品中で増殖するとともに毒素を産生 | 黄色ブドウ球菌,ボツリヌス菌 |
感染型 | 飲食物などに含まれていた有害・有毒な細菌を摂取 | サルモネラ属菌,腸炎ビブリオ,カンピロバクター,エルシニア | |
中間型 | 病原菌が消化管内で増殖する際に初めて毒素を生成 | ウェルシュ菌,病原大腸菌 | |
ウイルス食中毒 | ノロウイルス,ロタウイルス,A型肝炎ウイルス | ||
化学性食中毒 | 誤用・不適正混入 | 農薬,殺そ剤,洗浄剤など | |
環境汚染物質 | 有機水銀,カドミウム,ヒ素,鉛など | ||
自然毒食中毒 | 植物性自然毒 | 原因植物の摂取 | じゃがいもの芽,毒キノコ,トリカブトなど |
動物性自然毒 | 原因動物の接種 | フグ毒,貝毒,毒カマスなど | |
カビ毒 | カビに汚染された食物接種 | ||
寄生虫 | 寄生された食物接種 | アニサキス,顎口虫,トキソプラズマなど |
感染源 | 手指(特に切り傷や化膿巣)、糞便、鼻孔中の分泌物、およびこれらに汚染された食品 |
毒素 | 食品の中で黄色ぶどう球菌が増殖する過程でつくったエンテロトキシン(腸管毒素)を摂食することで食中毒が発生 |
潜伏期間 | 1〜5時間 |
症状 | 嘔吐、吐き気、下痢が多く、発熱は希 腹痛は必発症状ではない |
経過 | 一般的に2〜3日で全快 |
予防 | 手指の洗浄、調理器具の洗浄殺菌。手荒れや化膿巣のある人は、食品に直接触れない。低温保存は有効 |
感染源 | 酸素のない状態(嫌気性状態)にある缶詰、瓶詰め、パック製品、ハム・ソーセージ、いずしなど |
毒素 | 本菌が食品中で増殖する過程でつくられる毒素に汚染された食品を摂取すること |
潜伏期間 | 18〜36時間 |
症状 | 初期症状:悪心、嘔吐などで、目眩、頭痛、複視、瞳孔拡大、目瞼下垂など 症状が進むと発声困難、嚥下困難、起立不能などの神経障害などが起こり、呼吸困難により死亡 |
経過 | 致命率が非常に高い |
予防 | 容器が膨張している缶詰や真空パック食品は食べない |
感染源 | 食肉やその調理食品が多い。最近は卵とその調理食品によるものも多い |
潜伏期間 | 6〜48時間 |
症状 | 悪寒、嘔吐に始まり、腹痛、下痢が起こる。発熱は菌血症に至らない限り38度前後。重症例では血便も見られる |
経過 | 約5日間で改善するが重症に至ることも多い |
予防 | 肉・卵は十分に加熱(75℃以上、1分以上)する。卵の生食は新鮮なものに限る 低温保存は有効 |
感染源 | 主に海産魚介類とその調理食品 |
潜伏期間 | 5〜40時間 |
症状 | 激しい下痢、腹痛、吐き気、嘔吐、37〜38度の発熱を伴う |
経過 | 2〜3日で快復 |
予防 | 魚介類は新鮮なものでも真水でよく洗う短時間でも冷蔵庫に保存し、増殖を抑える。60℃、10分間の加熱で死滅。 |
感染源 | 鶏肉の汚染による食中毒が多く発生 |
潜伏期間 | 2〜7日 |
症状 | 吐き気、腹痛、下痢が主症状。発熱は38度前後が多い |
経過 | 1週間以内で完治 |
予防 | 食肉は十分な加熱(65℃以上、数分)を行う。調理器具を熱湯消毒し、よく乾燥させる |
鶏の常在菌として腸管内に生息しています。少ない菌数でもヒトに感染をおこし、新鮮な鶏肉でも発症します。 |
感染源 | 家畜や野生動物の糞便により汚染された食品や飲料水が感染源 |
潜伏期間 | 2〜5日 |
症状 | 発熱、腹痛、下痢、嘔吐であるが、ときには急性虫垂炎症状(いわゆる盲腸炎)を呈することもある |
経過 | 自然治癒傾向が高いので、食事制限をし、水分を多めに取る以外は特別な治療は必要ありませんが、ときに重症化する |
予防 | 食肉は十分に加熱(75℃以上、数分)する。低温でも増殖する |
感染源 | 肉、魚介類、野菜の煮物、これらを使用した弁当、仕出し |
潜伏期間 | 6〜18時間 |
症状 | 下痢、吐き気、嘔吐、悪心など |
経過 | 症状は一般的に軽く、1〜2日で快復 |
予防 | 食肉は十分に加熱(75℃以上、数分)する。低温でも増殖する |
特徴 | 症状 | 潜伏期間 | 予後 | |
腸管病原性大腸菌 (EPEC) |
2歳以下(特に6ヶ月以下)の子供に感染者が多い | 粘液便や水様便、腹痛やおう吐、軽度の発熱 | 12〜24時間 | 乳幼児では1週間くらいまで、成人は1〜3日くらいで回復 |
腸管組織侵入性大腸菌 (EIEC) |
大腸の上皮細胞の中に侵入し大腸や直腸に潰瘍(かいよう)性の炎症を起こします | しぶり腹、血液、粘液性の下痢、発熱、はき気、おう吐、けいれんなど | 1〜5日間 | 2〜3日 |
腸管毒素原性大腸菌 (ETEC) |
海外旅行者下痢症の原因となることの多い病原大腸菌 | 水様性の下痢、腹痛、おう吐を伴うことが多く、発熱はあまり起こりません | 12〜72時間 | 1〜3日で回復する場合から10日以上と長引く場合もあります |
腸管出血性大腸菌 (EHEC) |
ベロ毒素’と呼ばれる強い毒素を放出して腸管が水分を吸収できなくしたり血管を破壊したりします | 腹痛と水様性の下痢として出現し、翌日に血便。おう吐は少なく、発熱は多くは37℃台と軽度ですがHUS※)を合併すると重症化します。 | 3〜5日 | 平均8日 |
腸管凝集接着性大腸菌 (EAggEC) |
東南アジアから帰国した下痢患者、、乳幼児下痢症、食中毒などの集団事例からも検出 | 粘液を含む水様性下痢便、ときには血便や緑色便。腹痛を起こし、吐いたり、38℃台に発熱も伴います | 7時間〜2日 | 3〜7日程度 |
感染源 | ふん便や吐ぶつから人の手などを介して二次感染。 ヒト同士の接触する機会が多いところでヒトからヒトへ飛沫感染等直接感染する場合 |
潜伏期間 | 24-48時間 |
症状 | 吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱は軽度 |
予後 | 2〜3日で快復 |
予防 | 加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱 ノロウイルスに感染した人のふん便や吐ぶつの取り扱いに注意する |
感染源 | 患者の便中のウイルスがなんらかの形でほかの人の口に入って感染 |
潜伏期間 | 約2日 |
症状 | 激しい嘔吐(1日5から6回)、激しい下痢、発熱は半日から1日で終わる場合が多い |
予後 | 1〜2日で回復 |
予防 | 食事前やトイレの後などにおいて、せっけんを使ってしっかりと手を洗うことが重要 |
感染源 | 芽や緑色の部分に含まれるソラニンという毒素 |
潜伏期間 | 約数分〜2時間 |
症状 | 腹痛・頭痛・まひ・めまい・倦怠感・意識障害など |
予防 | 芽が出ていたり緑色の部分があるジャガイモは買わない・食べない 食べるならその周囲も取り除く |
感染源 | |
潜伏期間 | 食後10分〜6時間以上 |
症状 | 胃腸毒:おう吐,腹痛等。 神経毒:発汗,幻覚,麻痺等 |
予後 | 重症の場合は死に至ることもある |
予防 | 知らないキノコは採らない・食べない |
感染源 | テトロドトキシン |
潜伏期間 | 食後20分〜1時間 |
症状 | 口唇や舌の痺(しび)れに始まり,頭痛・吐き気・歩行困難・言語障害・呼吸困難などを引き起こす |
予後 | 重症の場合は死に至ることもある |
予防 | 素人が料理はしない |
感染源 | 海水中の有毒プランクトンを捕食して蓄積した二枚貝を食べることにより発症 |
潜伏期間 | 麻痺性貝毒:食後30分程度 下痢性貝毒:食後1〜2時間 |
症状 | 麻痺性貝毒:手足の痺れ,めまい,眠気など。重症の場合は呼吸麻痺で死に至ることもある。 下痢性貝毒:下痢・嘔吐・腹痛など。 |
予後 | 麻痺性貝毒:重症化すれば死亡 下痢性貝毒:ほぼ3日ほどで回 |
予防 | 行政からの規制がある場合には食べない |